2011年3月7日月曜日

[diary]カーシーで静養、宿換え

カーシーで静養、宿換え

2009/02/21(土) 晴れ
[Kashgar:China]
レート:1米ドル=6.8元=91円

※時間は自治区の時間

・腹痛
・バスの下見
・カネの紛失に気づく
・宿換え
・地図を購入

夜中腹痛で目覚める。どうも腹を下したらしい。中国に入って以降続いている食い放題路線に腹が反乱を起こしたのか、あるいは昨日食べた何かにあたったのか、それともいつか日本人旅行者から聞いたように中国の油にやられたのかはわからない。あるいはそれらの複合かもしれない。

そういうわけで夜中眠れず。部屋にはテレビがあったのでテレビをつけてみる。ちょうど映画をやっていたのでそれを見る。もちろん中国語なので会話はよくわからない。ただ中国語の字幕もついている(これはすべてのチャンネルの映画やドラマにも共通している)ので、それでわずかにわかるときがある程度。字幕の切り替えがぼくには早くてとても全部の漢字を読みとることができない。

映画を立て続けに2本見たが、服装や髪型からすると、80年代くらいに作られたよう。どっちも他愛もないストーリーでコメディ的だったが、その笑いも今となっては苦笑あるいは微笑ましいといったところがせいぜい。言葉がわかればもっと面白かったのかもしれないけど。でもミスタービーンの方が、言葉がわからなくても笑える。どっちも霊が出てくる点と学園ものである点、それから高校生くらいの女の子たちが主役というのが共通していた。

映画が終わるとそのチャンネルは夜中の休止時間に入ったので、ほかのチャンネルを見る。ヨーロッパのサッカーやNBAの試合をやっているチャンネルがあったので、それを眺める。そのうち寝る。

明るくなって目覚める。まだ腹の調子がおさまっていなかったので、またテレビを見ながらだらだらする。

チャンネルは中国のばかり20ほど(それ以上?)あるのだが、古い時代のドラマ(歴史ドラマ)をやっているチャンネルが5つ以上あった。中国ならいくらでも歴史ネタはあるのだろうが、誰がこうしたのを見ているのだろうかと不思議に思う。日本のような視聴率主義は中国にはあるのか?

新彊チャンネルでは定期的にウイグル語の番組が流れる。北京や上海の番組もあり。

チャンネルを回していたらちょっとしたお昼のバラエティ番組みたいなのがあったので、そこに固定する。「笑っていいとも」系の番組のようで、司会とその取り巻きの若い男たちはお笑い系。ちょうどチャンネルを止めたときは中国人男女のモデルたちに歩き方を習うというようなコーナーだった。身長190cm近い男のモデルや170cmは越えている女のモデルが6人ほど出ていた。女性の方は日本で言うと○○(○○には個人名を入れたいのだが、顔はわかるが名前が出てこない)系だが、男は日本人の一般的なモデル顔とはだいぶ違って切れ長の目をしたのが数名。劇団ひとり系も1人いる。驚いたのはファッション界の人間らしい解説者(もしかしたら服のデザイナーなのかもしれない)が、顔といい、背丈といい、髪型といい日本のテレビによく出ている落語家(名前がわからない。桂文珍とかそのあたり)にそっくりだったこと。もしや彼は日本と中国の両方で仕事をしているのかと思ってしまったくらい。

あと面白かったのが、そのモデルたちにモデル歩きをしてもらうる際にかかった曲の中にSMAPの曲があったこと(「明日からハレルヤー?」とかいう歌詞がある歌)。日本で中国のポップスなんて聴いたことがないが、流れることはあるのだろうか。それから出演している芸人っぽい人が、別のコーナーで谷村しんじ(漢字を忘れた)の「すばる」を歌っていたのも面白かった。そういえば彼は上海かどっかの大学に招かれていたとかいう話を思い出す。

そうこうしているうちに昼がすぎる。

ちょっとは腹が落ち着いたので、明日のためにバスターミナルにバスの下見に行く。歩いていける距離だが、試しにバスに乗って近くまで行く。バス代は1回1元(約15円)。

ここのバスターミナルもウルムチ同様、立派な建物だった。日本でいうと消防署に似ているかもしれない。中に電光掲示板があって行き先と出発予定時刻、座席数、運賃などが中国語とウイグル語で表示されている。

壁には鉄道の時刻表や運賃表もあった。滞在可能日数とビザ延長などのこともあり、しばしどういうルートで移動するか悩む。

30分ほど鉄道地図やガイドブックを見て考え、とりあえずの行き先を決めて、バスターミナルを後にする。

バスターミナル周辺には煮卵売りやナン売り、カバン売りの人たちが路上にいた。また周りには宿屋、風呂屋、食堂などがあったので、ぶらぶらと見て回る。

小さな食堂があったので、腹が落ち着いたばかりなのに入る。そして餃子と包子を頼む。ここも餃子10粒3元(約45円)、包子(具は青っ葉と卵の炒め物だった)は1個0.5元(約7円)。これに餃子のゆで汁らしきものがそば湯のようにして出てくる。これはタダ。

若い女性が2人でやっていて、一人の女の子は陽気にいろいろ話しかけてくる。当然こちらは一言もと言っていいほどわからず。なので紙に書いてと手帳を取り出して仕草で伝えるのだが、彼女は手帳に書かれてあるぼくの字をしげしげと見つめるだけで筆談にならない。彼女の上着にはハングルとカタカナがプリントされていたので、なんと書かれてあるか見せてもらおうと彼女の服を指さして、見せてくれと言うようなにわか中国語を言うが、意図がまったく伝わらず。これほどまでに通じない相手も珍しい。しかし、彼女はそれでも何度も話しかけてくる。そのたびにぼくは首を傾(かし)げる。言葉がわかれば・・・という思いがまた強くなる。

お金を払うと彼女らは「バイバイ(と中国でも言うらしい)」と言う。こちらも「バイバイ」と返し、店を出る。

そこから歩いて中国銀行に向かう。移動のルートを考えると今のうちにもうちょっと両替しておいた方がいいように思えてきた。が、宿を出てすぐに通ったときは開いていた支店はすでに閉店。

しかもこのときにカネを紛失したらしいことに気づく。残り金を頭で数えていたところ、昨日靴下の中に入れていたカネをどこにやったかわからなくなる。そして、おそらく靴下を脱いだときに落としたらしいことに思い至る。

あわててホテルに戻り、昨日靴下を脱いだあたりを探すが見あたらず。宿主にも相談するが、わからず。昨晩靴下を洗濯するため共同便所の洗面所に行ったとき、そこで靴下を脱いだためそこで落としたらしかったが、すでにそれらしきものは何もなかった。一見しただけじゃカネとはわからないだろうからごみと一緒に捨てられたのかもしれない。

カネがなくなってショックを受けているところへ、宿主がこの宿を出るように行ってくる。宿に泊まっていた人で2~3の日本語を知っている人が英語が多少出来る人がいて、その人がたまたまフロントを通りがかったので通訳してもらうと、どうもこの宿は中国人専用で外国人は泊めない(泊まれない)らしい。通りでチェックインの時パスポートの提示を求められなかったのだと合点する。でも、言葉が出来ないから外国人だということはわかっていたはず。つまりはカネの件で警察に相談されると困るようなことでもあるのか、と勘ぐる。

いずれにしても部屋から出ていくよう言われたので、荷物をまとめて宿を出る。

ガイドブックに載っていた宿まで移動。幸いなことにここの宿のドミはさっきまで泊まっていた宿とは比べものにならないくらいきれいでトイレ、シャワー付き。しかも他に客はいない。これで値段は同じ30元(約450円)なので、最初からこっちに泊まっておけばカネを紛失することもなかったと後悔。やれやれ。

それからネット屋に行ってメールの確認。そこからの帰りがけに1年前から中国に住んでいる知り合いに電話。国内電話は一律1分0。3元(約5円)なので助かる。しかも電話はあちこちの商店が店先においているので探す手間がかからないし、カードも買う必要がない。こういうところはスウェーデンなどよりも便利。

夕方、また餃子が恋しくなったので餃子を食べる。ここはウイグル風餃子のようでタレが、中国系の店では黒酢だが、ここでは唐辛子が効いた赤い色をした辛いタレだった。

その後は宿でゆっくりする。シャワーのお湯の温度が低いのが残念。あと指定されたベッドがある部屋があまりに暗いので勝手にベッドを変更。

結局、誰も相客はいず完全にシングルルームとして使える。すばらしい。

Fin

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