2011年3月7日月曜日

[diary]カーシーの金曜日

カーシーの金曜日

2009/02/20(金) 曇り
[Urumqi→Kashgar:China]
レート:1米ドル=6.8元=91円

※時間は自治区の時間

・公安へビザの延長をしに
・ウイグル地区をまたぶらり
・金曜日の礼拝

夜中何度か目が覚める。外からやたらとクラクションを鳴らす音が聞こえる。これにはいらつく。

7時前に目が覚め、しばらく物書き。

10時半頃宿を出て、近くにある公安局の外事処に行く。公安の建物は10階以上ある白のコンクリートのビル。入り口にいた警備員に、日本人だがビザを延長したいと、事前に中国語で書いてきた文章を見せながら伝えると、入り口の手前の脇にある平屋の建物に行くよう促される。

そこが目的の場所だった。壁にはビザの延長や滞在許可などの項目名とそれぞれにかかる料金が張り出されている。

カウンターにいたウイグル系の女性は多少英語を解した。ビザを延長したいと書いた紙を見せると、英語ができるかと英語で尋ねてくる。それ以後は会話は英語。彼女はぼくのパスポートを見ると、”今日は20日、ビザの延長できない”などという。意味がわからず金曜日は受け付けていないのかと思い、月曜にくればいいのかと尋ねたところ3月2日と紙に書く。そして別の男性の職員を呼ぶ。

彼も英語を多少解した。つまりはノービザでは15日間滞在できるのだが、その滞在期限が迫った頃でないb座の延長は受け付けてくれないらしい。だから15日目の3月2日にホテルの領収書のコピーとパスポートのコピーと写真2枚、あと代金160元を持って来るように言われる。

ここの人の対応も予想外に柔らかだった。中央アジアの警察や店員などの態度に慣れていたからか、中国の方がずっと態度が気持ちよい。

滞在期限まであと10日もあるため、一気に問題が出てくる。ここらで10日間過ごしてからまた出直すか、それとも他のまちでのビザ延長に挑戦するか。ただ、ここで簡単に延長できるものだと思っていたので、他のまちの情報がない。まずはその情報を入手しなければと困ったときのネット屋頼みで、ネット屋を探しにウイグル地区(という名前はぼくが勝手につけた)に向かう。

泊まっている宿の近くにネット屋があったのだが、昨日行ったところ会員以外はお断りみたいなふうに拒否されたためそこは使えなかった。他にどこにあるか知らなかったので、探さなければならない。

幅3m足らずの土壁の住宅街の曲がりくねった道を歩く。路上ではぷらぷらと一人で遊んでいる男のがいたりする。その中には例のごとく股のところが縫われていないズボンを履いている子がいて、すごい子になると尻もちんちんも丸見えという子もいた。そういうのを見るとなんのためにズボンを履いているのかわからなくなる。

今日は金曜日、つまりはイスラムの休息日ということでか昨日よりも路上には人気がないし、露店も少ない。今日は曇っていて昨日よりもやや冷える。

昨日とは違う通りを歩いていたらモスクがある広場の脇にでる。あたりには土産物品などを売っている店あり。その並びにネット屋を偶然発見。ここでメールチェックなどをする。1時間2元(約30円)。これまでの中で最安だ。遅くもないしなかなかよろしい。ビザ関係の情報も検索。

モスク前の広場は人が多かった。モスクに向かって歩いている人(ほとんど男)多数。その人を相手にビニール袋みたいなのを売っている少年たちが5人ほど。下に敷くためのビニールなのか、靴を入れるための袋なのかはよくわからず。

また広場の一角には馬やラクダが遭わせて5頭ほどいた。どれも記念写真用らしくできあがった際の写真を貼りだしているおじさんもいた。

広場に連なるある通りがとても賑やかだったのでそこに行ってみる。メロンやスイカ売りのおじさんたちが、片手にメロンなどを持って客引きをしている。臓物系の料理を出す屋台やひよこ豆料理、涼麺、シャシリクなどの屋台多数。ナン屋もあり。普通の食堂も沿道に沿って何軒もあった。入り口近くではシャシリクを焼いていたり、プロフを炊いていたりする。

そのうち一軒の食堂の人が声をかけてきたので、そこに入ってみる。入り口付近の鍋にあった料理を頼む。中はウイグル人ばかりで、ぼくが入るとちと目立つ。

隣の席の人がちらちらとこちらを見ているので軽く挨拶。相手も挨拶を返してくれたがそれ以上に発展することはなかった。

出てきた料理はどんぶりに辛そうな色をしたスープだった。中をかき混ぜてみると羊の肉とじゃがいもがごろごろ入っている。スープの色はトマト色というか、ラー油いろなのだが、飲んでみるとたいして辛くはなかった。これが10元(約150円)もしたのには驚いたが。

こちらの一帯もくねくねした道に土壁の家が続く。路上で遊んでいる3~5歳くらいの子どもたちはぼくを見ると不思議そうな顔でこちらを見る。通り過ぎてもあとからしばらくついて来る子もいるが、近寄ろうとするとたいてい逃げる。

ぶらぶら歩いている昨日も通った広い道にでる。引き返す。住宅街を通っていると入り口の扉に「文明家族」とか「平安家族」と書かれたシールを貼っている家を多く見かける。

ちょうどお祈りタイムが終わったようで、多くの男たちがモスクから帰っていく途中だった。手にはお祈り時に下に敷く一人サイズの絨毯を持っている。

金曜日とは言え、たいていの店は開いている。食堂や屋台は人々で賑やか。路上の洋服売りのおばちゃんたち、DVD売りの若い男の人たち、ナッツ類売りなどもいる。またモスク周辺にはお祈りする人たちを当てにしてだろう物乞いの人たちがけっこう集まっていた。目算で20~30人ほどだろうか。女性が多いように感じる。

それから中国の地図を書おうかと思い、本屋に行く。ガイドブックはあるものの中古のため中国全体の地図は破れていて使えなかった。例のビザの関係で延長ができるまちの名前はわかったが、それがどこにあるのかがわからなかったり、どういうルートで行けばいいかを考えるには地図が必要かと思ってのことだったが、これが長引く。

市内には大きな本屋としては新華書店と新華教育書店があり、それぞれの間は400mほど離れている。片方にしかない本がけっこうあるためその両方をまず見て、売っている地図の類を見てみる。一枚の紙のものは3元(約45円)であったが、道路などの図が簡単にすぎるように感じる。手帳型の地図帳も複数ある。値段は10~20元。あれこれ迷う。さらに困ったことに中国国内の古いまちを紹介したガイドブックがあり、これがほしくなる。値段が38元(約550円)もするのがネック。しかも作りが粗い。

結局何度か本屋を行き来して財布とも相談しながら最終的にはガイドブックを買う。さらにたまたま立ち寄った料理本コーナーにウイグル料理本があり、それがカラーでなかなかよかったためそれも買ってしまう。こちらは1冊12元(約170円)。10種類近くあったが悩んだ末2種類だけ購入。予定外の出費にため息をつきつつ、また倹約しなきゃなと思う。

夕方前、昨日も行った屋台街に行って夕食。麻婆豆腐やカリフラワーの炒め物、トマトと卵の炒め物、煮豆みたいなもの、豚肉炒めみたいなのと5~6種類のおかずに白飯がついた定食のようなものが6元(約90円)。味はいかにも中華という味なので新しい発見はなかった。

それからまたネット屋に行って、写真のデータのアップロードなどをする。

暗くなり始めた頃に宿に戻る。

宿に戻ってからしばらくすると腹の調子がおかしくなる。今日もいろいろ食ったからそのせいか、ちょっと黴びたような味がしたナッツ類のせいか、道ばたで食べた自家製ヨーグルトのせいか、ただの食いすぎのせいかはわからない。

これまた金曜の夜ということでか近くからカラオケを歌う声が聞こえてくる。

夜はテレビを見ながら安静。

Fin

0 件のコメント: